読めば読むほど、分からなくなってくる…
「理念」とは何でしょうか?
一度インターネットで調べてみてください。
数えきれないほど解説ページが出てきます。
「理念とは何か?」「社是や社訓、信条との違いは?」「ミッションやビジョンとの違いは?」「企業理念と経営理念の違いは?」「いい企業理念を作るには?」…etc.
様々な解説が並んでいます。
この記事を書く前に、いろいろ読んでみました。
動画もいくつか観てみました。
率直な感想ですが、分かるような分からないような…という感じです。
自分なりの分析としては、
理解のための理解というか、学生時代の勉強のように頭で理解するだけであれば、分かると言えば分かる…
でも本質的な理解というか、実際に運用、継続させていく前提で、実行できそうなラインを考えながら理解しようとすると、分からなくなってくる…
といったところです。
いろいろ読めば読むほど分からなくなってくるのは、書き手によって捉え方が違っていたり、まとめ方がまちまちだったり、そういうことも要因としてあるかもしれません。
加えて、自分が必要と感じていない情報まで一気にたくさん入れてしまうと、頭の中がパンクして、収拾がつかなくなってきます。
「理念」についてそれなりに理解していなければならない立場の私がこういうことになる訳ですから、これから「理念」について理解していこうという方だったら、もっと混乱するのでは?と心配になってきます。
「心配ご無用」という方はよいですが、私の感覚と通ずる方は、ひとまず最低限の情報にとどめて、必要に応じてプラスアルファの知識・理解を加えていくアプローチの方が賢明かもしれません。
一度にたくさん理解しようとして、全部が台無しになるよりは、あえて細切れにしてスタートするという考え方です。
現場としては名目や形式より、実質的かどうかに尽きる
ここまでは経営者の方の目線でお話ししてきましたが、私は従業員として多様な立場を体験しながらマネジメントを考察してきた経緯(プロフィール参照)があるため、現場の感覚で考える癖があります。
そういう見地でもいろいろ引っかかる情報があったのですが、例えば「これは形骸化しそうだなぁ…」と感じる内容は、現場としては負担になるだけなので「やめてほしいなぁ…」と思ってしまいます。
小難しかったり、堅苦しすぎたり、抽象的過ぎたり、共通認識を持ちづらい内容も、「やめてほしいなぁ…」と思ってしまいます。
必要でない知識はあえて控えて、まず本質に絞り、必要に応じて理解を加えていくことは、現場の方々にとっても切実なポイントになると思われます。
これらのことを踏まえて、ここでは最低限の情報にフォーカスしたいと思います。
辞書の意味で十分と言えば十分
辞書の解説を見てみると、
【理念】
物事のあるべき状態についての基本的な考え。「教育の-」
出典:三省堂 大辞林 第三版
とあります。
「理念って何だろう?」という疑問に対しては、これで十分と言えば十分です。
「理念」とは、「物事のあるべき状態についての基本的な考え」のことです。
もしインターネットで調べた時にこの情報しか出て来なかったら、簡潔ですし、すんなり頭に入ってくるでしょう。
まとめ方がまちまちだったり、ピンと来ないプラスアルファの情報まで一気に理解したりしなければ、頭がパンクすることもありません。
この理解だけでも、意外とできることがあります。
例えば、「経営理念は必要だと思いますか?」と聞かれると小難しく感じますが、
「理念」=「物事のあるべき状態についての基本的な考え」ですから、
「経営のあるべき状態についての基本的な考えは必要だと思いますか?」と言い換えることができます。
こうするとちょっと質問の印象も変わりますし、ひょっとしたら自分の見解(必要or不要)まで変わってくるかもしれません。
同じように言い換えたら、「企業理念」についても
「企業(自社)のあるべき状態についての基本的な考え」ということになります。
明文化していないだけで、「こういう会社でありたい(あり続けたい)」「こういう部分は無くさないようにしていきたい」「こういうところは従業員と共有しておきたい」といった思いを、実は持っているかもしれません。
プラスアルファのことについては、また別の記事で考えていきましょう。
今日のところは、ここで一旦区切ります。
この記事で押さえることは一点
「理念」とは、「物事のあるべき状態についての基本的な考え」です。
この記事で押さえることは、これだけです。
この土台のもとで、「理念」に関する記事を読んでいただければと思います。