【雑記】
●現場の「自分ルール」を放置していると…
現場任せの部門長のもとで、文句も言わず働いてくれている人たちが大変な思いをしていることがあります。
特にパートやアルバイトの方が多い業種では、現場(先輩スタッフ)に任せすぎるのは要注意です。
組織としての基準(=行動指針や作業手順の目安など組織全体の品質や効率を考慮して決められたもの)がしっかり示されていないと、自分ルール(=個人の都合や考えで決められたもの)をどんどん推し進める人が出てきます。
自分ルールで勝手に仕事をするだけならまだよいですが、周りの人たちがそれを強要されることも少なくありません。
強要というのは、あからさまに指示・命令で行われるとは限りません。
職歴が長いとか、自己主張が強いとか、なんとなく「この人の意向に沿わないといけないなぁ…」という、その場の暗黙の空気によって成立してしまうこともあります。
組織としての基準で仕事をする場合には組織全体のためになるという意義がありますが、自分ルールを強要された場合には、周りの人にとっては意義も感じられないため、ただただエネルギーを奪われるだけになってしまいます。
組織としての基準が無いことは、周りの人にとっては身を守るためのよりどころが無いということでもあります。
組織としての基準があっても、守らない人が多い(守らなくてもそれで済んでしまっている)場合には、実質的には基準がないのと変わりません。
結局、影響力が強い人の自分ルールで仕事をすることになってしまいます。
組織としての基準を守ってもらおうとしても、道徳的なアプローチでは大体うまくいきません。
説得力(意義や一貫性、毅然とした態度や根気など)を伴った基準でなければ、現場の自分ルールは無くなりません。
「守るべきだから守る」という発想ではなく、「組織全体の品質や効率の観点で考えたら組織の基準(意向)に沿った方がよい」という発想が職場全体に醸成されるまで、自分ルールは幅を利かせ続けます。
最終的には、「組織全体(さらに言うと事業に関わる全ての人)にとっての不利益を放置するわけにはいかない」という、経営者の高い視座と譲れない意志の問題に行き着くと思われます。