言葉の解釈

「自己啓発」とは?

 

「自己啓発」とは何でしょうか?

インターネットで検索してみると、数えきれないほど解説が出てきます。

 

いろいろ調べてみたら解決した人

もともと特に困っていない人

「自己啓発って、必要なんだろうか?」と疑問を持っている人

「自己啓発本って、どうなんだろう?」とモヤモヤしている人

年齢、職業に関わらず、いろんな状況の人がいます。

 

私が感じるのは、情報が多過ぎて本質が見えづらくなっているということです。

今日は、あえて情報を減らして考える提起をします。

 

「情報が多過ぎることがネックなら、思い切って辞書の意味だけで考えてみませんか?」

というお話です。

辞書の意味で十分と言えば十分

 

「自己啓発」とは?

 

辞書で調べてみると、

【自己啓発】

本人の意思で、自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すこと。また、そのための訓練。「—セミナー」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

とあります。

 

「自己啓発とは何か?」という疑問に対しては、これで十分と言えば十分です。

 

「自己啓発」とは、

「本人の意思で、自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すこと。

 また、そのための訓練。」

です。

 

この定義では、大きく2つ

「能力向上」と「精神的な成長」が書かれています。

 

つまり、「能力向上」や「精神的な成長」のための取り組みということですね。

この解釈で考えると、「能力向上」の目的でも「精神的な成長」の目的でも、「自己啓発」の枠に入ります。

 

なんとなく本屋さんの「自己啓発」コーナーには、「精神的な成長」を目的としたものが多い気がしますが、もっと広い意味で「自分を高めること」全般を「自己啓発」と捉えてもよさそうですね。

 

また、学びの手段ですが、本を活用しても、動画を活用しても、セミナーやワークショップなどを活用しても、「能力向上」や「精神的な成長」に向かっているなら何でもよさそうです。

個人的には、ビジネス書のような本だけでなく、エッセイや小説も含めて選択肢に入りますし、映画やドキュメンタリー番組なども入ります。

 

反対に、どんな手段を使うにしても、自分に合わなかったり無理が大きかったり、出費や苦労が多い割に実りの少ないものは不適切と言えるでしょう。

本質的に、自分を高めるという「自己啓発」の目的に適っていませんので。

 

「自己啓発」という言葉は、ある意味どんな内容でも範ちゅうに入れられるため、怪しい業者が出やすいという見方は一理あるかもしれません。

その一方で「自己啓発」に限らず、「投資」や「語学習得」、「ダイエット」など、少ない労力で大きな見返りを期待してしまうと、ジャンルを問わず目が曇りがちなので、そういう切り口で注意しておくのも一つだと思います。

 

「自己啓発」は必要か?

 

「自己啓発とは?」の次は、その必要性について。

「自己啓発」が必要かどうかは、人によるという結論になりそうです。

 

先ほどの定義の2つのポイントですが、

「能力向上」と「精神的な成長」を目的とした取り組みでした。

次に、もう1つのポイントとして、

「本人の意思で」取り組むという側面もありました。

 

人の状況はさまざまです。

目指す未来像と現在地のギャップもさまざまですから、必要性も千差万別です。

また、本人が「そんなもの要らない」と捉えるか、「必要」と捉えるか、「なんとも言えない」と捉えるかは、個々の考え方や価値基準によります。

 

しかし突き詰めて考えれば、「本人の意思で」取り組むものですから、一般論としてどちらかに決めるものではないでしょう。

必要と言われても、必要性を感じる人でないと身も入らないでしょうし、おそらく長続きもしないと思います。

 

ここまで辞書の定義に基づいて考えてきました。

この時点では「自己啓発」の必要性は人それぞれのようですが、現実社会を考慮に入れると、その議論をすることさえ難しくなります。

 

「自己啓発」という言葉の解釈も人それぞれ

 

実際の社会生活では、みんなが辞書の定義で解釈しているわけではありません。

何気ない日常で見聞きしたり、さまざまな媒体で学んだり、それぞれの生活や仕事を通じて、それぞれの解釈が形成されています。

 

したがって、そもそもの「自己啓発」という言葉自体が共通認識ではないため、その先の「自己啓発は…?」という議論もまったく噛み合わなかったりします。

 

そういう背景を踏まえると、「自己啓発」のような曖昧な言葉は、あえて使わないというのも一つです。

掴みどころのない言葉、解釈に個人差がある言葉は、別の言葉に置き換えたり、その時々の文脈を素直に表現した方がよいかもしれません。

 

今日のところはまず、

自分の認識として、「自己啓発」をどう捉えると本質を掴みやすいか?

情報を減らして、辞書の意味だけで捉える方が、必要性についても考えやすくないか?

必要性は人それぞれのようだけど、自分にとってはどうなのか?

このあたりにフォーカスしてみてください。

 

まとめ

 

「自己啓発」とは、

「本人の意思で、自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すこと。

 また、そのための訓練。」

 

・自分で「自己啓発」の実践について考える際、思いきって情報を削ぎ落として、辞書の意味で考えてみる選択もある。

・他者との会話では「自己啓発」という言葉を控え、別の言葉に置き換えたり、文脈をそのまま表現する方がよいかもしれない。

 

私自身、他者とのやりとりでは「自己啓発」という言葉は使いませんが、「自己啓発」自体には必要性を感じ、積極的に取り組んできました。

その際、「自己啓発」という言葉の解釈は、辞書の意味を土台にしてきました。

そうすることで、情報洪水に飲まれず、自分に相応の選択ができてきたと感じています。

 

参考になる方がいらっしゃったら、幸いです。