Question(百人百様の自問)

「ほめるか?叱るか?」という問いは、自分にとって適切ですか?

 

「ほめるか?叱るか?」

近ごろは、こういう議論をよく耳にします。

今日は、この問いについて掘り下げてみます。

私は「どっちも」です

 

まず、私の方針からお話しします。

私は、「どっちも」です。

 

これはあくまで私個人のお話で、広く一般化した回答ではありません。

私の意見というより、方針といった方がよいでしょう。

 

つまり、自分の実践においては「どっちも不可欠」ということです。

 

「ほめるか?叱るか?」の二択は困る

 

私はこういった議論に遭遇した時、「二択にされると困るな~」と感じます。

 

率直に言って

ポジティブな事柄では「ほめる」、ネガティブな事柄では「叱る」

のが適切だと考えているからです。

 

人の良い面、優れているところ、称えるべき成果や功績、感謝やねぎらいに値する事柄など、そういった場面では「肯定的な投げかけ」が自然です。

一方、社会的ルールの逸脱や危険な行為、あるいは節度・分別が不足していて見過ごせない場面では、やはり「反省を促す投げかけ」が妥当だと感じます。

 

ですので、「ほめるか?叱るか?」の二択の問いになっていますが、私の回答は「どっちも」です。

 

「ほめる」と「叱る」以外の言葉も使いたい

 

「ほめるか?叱るか?」

どんなケースを思い浮かべて議論するかは人それぞれです。

 

私は基本的に、「相手が子ども」のケースを思い浮かべます。

「相手が大人」の場合は、「ほめる」「叱る」という表現がしっくり来ません。

 

「ほめる」「叱る」だけでなく、もっといろんな言葉も使っての議論なら、また違った印象になると思います。

 

例えば「ポジティブな表現」を、思いつくまま10個挙げてみると

「称える」「称賛する」「評価する」「肯定する」「認める」「感心する」「尊敬する」「尊重する」「感謝する」「ねぎらう」

などが出てきます。

 

「ネガティブな表現」も10個挙げてみると

「注意する」「たしなめる」「指摘する」「忠告する」「戒める」「警告する」「苦情を言う」「抗議する」「苦言を呈する」「厳しい意見を言う」

など。

 

こういった表現も含めて

「ポジティブな働きかけか? ネガティブな働きかけか?」という問いになったら、

「相手が大人」でも違和感なく考えられますし、仕事の場面も含めて考えることができます。

 

もちろん、私の回答は「どっちも」です。

 

また、「ほめる」「叱る」以外にいろんな表現を持つと、「相手が子ども」の場合でも、より適切な働きかけを考えることができます。

 

単純化し過ぎない

 

物事を単純化することは、話のポイントを分かりやすくするメリットがあります。

あえて単純化して考えることで、複雑な物事を理解しやすくしたり、実践時に意識しやすくすることができます。

 

しかし、あまりに単純化し過ぎてしまうと現実からかけ離れてしまい、しっくり来なかったり、狭い枠に縛られて実践しにくくなってしまいます。

現代のような情報洪水社会では、よかれと思って単純化してくれている情報が無限にありますが、それゆえに裏目に出ているケースも多い気がします。

 

「ほめるか?叱るか?」

この問いを考えることで物事が解決しやすかったり前進しやすいなら、単純化が功を奏しているでしょう。

しかし、この2語だけで考えることが裏目に出るなら、まずは問いを補整することが出発点だと思います。