Question(百人百様の自問)

「ごちゃごちゃ考えてないで、とっとと動け!」と言われて動けるだろうか?

 

「ごちゃごちゃ考えてないで、とっとと動け!」

こんな意見に遭遇したことはありませんか?

 

私は若い頃、よく言われました。

ごちゃごちゃ考えるタイプだったので(今もそうですが)。

 

表現は違っても、同じニュアンスの意見ってありますよね。

「ごちゃごちゃ考えてないで、やろうと思ったらやろうよ!」とか、

「止まって考えてたらダメだよ!動きながら考えないと!」とか、…

 

今日はこういう意見について掘り下げてみます。

「実用的か?」という切り口

 

こういう意見について、どう掘り下げるかですが、

「果たしてこの意見は、実用的か?」という切り口です。

 

実用的というのは、物事の進行を促進するとか、物事の進展に役立つとか、そういう意味合いです。

 

役立たないだけならまだよいですが、

足かせになることもあるかもしれません。

 

タイプが違う?

 

冒頭のような意見を言われる人は、考えないと動けない傾向が強いでしょう。

そして、そうした意見を言う側は、動ける傾向が強いと思われます。

 

おそらくタイプが違います。

もともと参考になりにくい関係性だったりします。

 

そんな関係性で結論だけの意見を言われても、なかなか動けるものではありません。

動けるようになる促進材料があまりにも少なすぎます。

 

そして多くの場合そうだと思われますが、力関係で強い立場の人から言われると、萎縮したり、自信を失ったり、むしろ推進力を削がれてしまいます。

 

気になるものは、気になる…

 

当事者の一人として私も痛感していますが、ごちゃごちゃ考えるタイプの人が、意志の力でとっとと動こうとするのは非現実的です。

「ごちゃごちゃ考える」のは、考えようとしているのではなく、つい考えてしまう状態だからです。

 

それを考えないようにするのは、気になる人への想いを意志の力で止めようとするくらい難しいかもしれません。

きっと理屈や理性で制御できないことの方が多いでしょう。

 

では、どうするか?

 

「ごちゃごちゃ考える」から「深く掘り下げる」へ

 

やっぱり「ごちゃごちゃ考える」?

 

そうです。

「ごちゃごちゃ考える」のが入口です。

 

しかし、少しだけ補整が必要です。

「ごちゃごちゃ考える」という表現を、「深く掘り下げる」という表現に言い換えることです。

 

「ごちゃごちゃ考える」という表現のままだと、否定的なニュアンスがかもし出されます。

「とっとと動け!」的なことを言われてきた人ほど、嫌な印象もこべりついているでしょう。

 

また、この表現だと目的意識を持って考えるニュアンスも感じられません。

「なんとなく考えている」

「漫然と考えている」

「中途半端に考えている」

「ブレーキをかけたまま考えている」…

そんな風に感じられます。

 

もともと考え込んでしまう人は、思考を止めるのは極めて難しいと思います。

おそらく止める方向性よりは、考え抜いてしまう方が合っているでしょう。

しかし、ごちゃごちゃ考えるというフレーズで片付けられてきたことで、行きつ戻りつ考える状態に導かれてしまって、それに慣れてしまっている印象も否めません。

 

突破口は、「深く掘り下げること」です。

「漫然と考える」「ブレーキをかけたまま考える」「中途半端に考える」のではなく、

「目的意識を持って考える」「積極的に考える」「考えて考えて考え抜く」方向性です。

 

中途半端が一番よくない

 

いきなり「目的意識を持って考える」「積極的に考える」「考えて考えて考え抜く」といっても、当事者にとっては『大変そうだな~』と感じるかもしれませんが、選択肢は大きく3つです。

 

①「とっとと動く」

②「ごちゃごちゃ考える」

③「深く掘り下げる」

 

①の「とっとと動く」は結末を考えると非現実的ですが、仕事上でそれを求められるのも理解はできます。

考えてしまう人にとっては辛い道ですが、求める側とすれば動いてもらえるとありがたいので、(短期的に見れば)社会的意義はあります。

 

③の「深く掘り下げる」は、今までより負荷のかかる思考をすることになって、大変といえば大変かもしれません。

しかし、深く掘り下げて根本的な問題を解決することで、行動(成果)につながる可能性が非常に高まります。

 

一番の問題は②の「ごちゃごちゃ考える」です。

自分としても辛いままですし、自分以外の人の要望に応える面でも見通しが暗いです。

 

私自身若い頃は、「とっとと動く」選択を何度となく試みて自信を失い、20代後半には見切りをつけました。

かといって「ごちゃごちゃ考える」状態のままでは光を感じられなかったので、消去法で③の「深く掘り下げる」道になりました。

 

あえて深く掘り下げる!

 

ここまで私自身の体験をベースにお話ししてきました。

 

動く前にある程度考えて、最低限の納得が必要な人にとって、

「考えないで動く」

「動きながら考える」

というのは、かなり難易度が高いです。

 

もちろん、直面している物事の種類や責任の重さによっても違うでしょうが、基本的には「深く掘り下げる」道が現実解だと私は感じています。

 

自分の能力発揮の観点、あるいは他者の能力発揮の観点で、参考になれば幸いです。

 

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