言葉の解釈

「価値組」とは?

 

「勝ち」を意識しているか?「価値」を意識しているか?

 

「価値組」という言葉は社会的に広く使われているものではなく、あくまで個人的に用いているもので、「勝ち組」という言葉と対比させた造語です。

 

「勝ち」(競争や優劣)について、あるいは「価値」(意義や目的)について、多くの方はどちらもある程度意識して、バランスをとって仕事をしていると思います。

しかし、どちらの意識がより強いかという点では、だいぶ分かれるのではないでしょうか。

 

「勝つこと」
「勝つ人」
「勝つ会社」

「価値あること」
「価値ある人」
「価値ある会社」

 

度合いについてはさておき、前者の意識が強いならば「勝ち組志向」、後者の意識が強いならば「価値組志向」という風に、私は大きく分類しています。

 

「競争や優劣」を強く意識して、力を発揮できるか?

 

それでは今度は、両方とも試してみたら、

『勝ち組志向の場合と価値組志向の場合、どちらの方が力を発揮しやすいだろうか?』

という観点で考えてみます。

 

私が人材開発・組織開発(=人や組織の能力発揮)を支援する際に、根っことして注目しているのはこの観点です。

 

「意義や目的」より「競争や優劣」の意識が強い方が力を発揮しやすい人(組織)について、私は「勝ち組タイプ」と呼んでいます。

一方、「競争や優劣」の方に強く傾斜して「意義や目的」の意識が薄れてしまうと、力を発揮することが難しく行き詰まりやすい人(組織)について、「価値組タイプ」と呼んでいます。

 

もちろん、これは良し悪しの問題ではありませんので、それぞれに合ったやり方でやればよいと思います。

客観的に考えると、とてもシンプルなお話です。

 

知らず知らず風潮に飲まれている…

 

ところが「価値組タイプ」の当事者として、実際に「意義や目的」に意識を向けて事に当たろうとしてみると、思いのほか難航するかもしれません。

社会が自分に都合よく動いているわけではないからです。

 

世間や周りの人、あるいは日々接する多様なメディアも含めて、「競争や優劣」の発想で動いている傾向が強いため、その風潮に飲まれて、「戦略」「戦術」、「ノウハウ」「テクニック」、「数字」「効率」、「社会的評価」や「世間体」に意識を奪われてしまいます。

 

「なぜ」「何のために」「どんな人のために」
「背景」「そもそもの動機」「シンプルな想い」
「意義」「価値」「パワーの源」・・・

そういったものについて振り返ったり対話したりする時間はすっかり削がれてしまい、気がつけば力を発揮しにくい状態で「勝負」しています。

 

そもそも「勝ち組タイプ」とは違って、「勝負」とは別の発想で仕事をする方が力を発揮しやすい「価値組タイプ」の人(組織)は、「ノウハウ」や「効率」の前に、土台の適切な発想が必要かもしれません。

特に経営者の方は個人的な観点だけでなく、従業員の皆さんを取り巻く職場全体の発想を左右することも心得て、自分に強く影響を与えている人間関係や、日々接するメディアまで見直す必要があるかもしれません。

 

薄々そんな必要性を感じながらも風潮に圧倒され、「戦略」「ノウハウ」「数字」「効率」…に終始しがちな経営者の方を支援するのが私の仕事ですが、このブログもそんな方に向けて発信しています。

 

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