辞書の意味
「マネジメント(management)」
辞書には、
【マネージメント】
(マネジメントとも)
①管理すること。経営すること。
②管理者。経営者。「トップ・―」
出典:三省堂 大辞林 第三版
とあります。
この解釈で大丈夫な方はよいのですが、私と同じように言葉のニュアンスを掴みたいという方もいると思いますので、少し掘り下げてみたいと思います。
核となっている英単語のニュアンス
「マネジメント」という言葉は、英語の「management」という単語をカタカナで表したものです。
そして、「management」という単語は、「manage(マネージ)」という動詞を名詞にしたものです。
それでは、この「manage(マネージ)」という単語はどんな意味があるかというと、「経営する」とか「管理する」とか「処理する」などの意味があるのですが、核となっている意味としては「(困難な状況の中で)やりくりする、なんとか対処する、どうにかやっていく」ということを表しているそうです。
私はこの核となっている意味を、「マネジメント」という言葉の中心的イメージとして捉えています。
日本語の「やりくり」という言葉は、「不十分なものをあれこれ工夫して都合をつけること」という意味がありますので、この意味も加えて
(困難な状況の中で)やりくりすること(=不十分な条件の中で工夫して都合をつけていくこと)、なんとか対処すること、どうにかやっていくこと
というイメージになります。
このイメージで捉えていると、「困難な状況、不十分な条件の中でも、いろいろ工夫すること、何とか都合をつけて対処していくこと」自体が「マネジメント」なので、「○○マネジメント」というものを行う際に、困難な状況や不十分な条件をある程度想定して臨むことができます。
単に「管理すること」や「経営すること」と理解しているよりも、現実への対応力が出てきます。
例えば「組織マネジメント」とは、「組織運営の面で、困難な状況、不十分な条件の中でも、工夫して何とかやっていくこと」となります。
そして、「マネジメントの立場の人」とは、「(会社の経営、運営の面で)困難な状況、不十分な条件の中でも、工夫して何とかやっていく立場の人」ということになります。
その他、「時間マネジメント」「リスクマネジメント」「セルフマネジメント」「メンタルヘルスマネジメント」など、マネジメントのつく言葉はいろいろありますが、どれもそれぞれの事柄について「困難な状況、十分でない条件の中で、工夫して都合をつけて何とかやっていく取り組み」と捉えることができます。
日々の現実の中で前に進むための知識として
私たちは、学生の勉強とは違って、理解ベースではなく実践ベースで知識を持ち合わせていることが重要です。
多くの人にとって、知識は試験にパスするためのものではありません。
日々のいろいろある現実の中で怯んだり気落ちしたりしながらも、気を取り直して自分にできることを探し、少しでも成果につなげていくことが最大の関心事だと思われます。
であれば、言葉の解釈は実践時にパッとイメージできること、そして自分(自分たち)の意識や思考を少しでも建設的な方向に後押ししてくれることが重要でしょう。
そう考えると、単に「組織管理」や「時間管理」、「リスク管理」などのように捉えるよりも、上記のように核となるイメージで捉えている方が、少しでも着手できることに目を向けていけると私は思うのですがいかがでしょうか。