言葉の解釈

「マーケティング」とは?

 

詳しい解説が無数にある

 

「マーケティングとは何でしょうか?」

 

インターネットで「マーケティング」を検索すると、読むのを躊躇ちゅうちょするほど無数の解説が出てきます。

この記事を書く前に、目についたものをいくつか読んでみましたが、自分が求めているものとは違う解説を読んだからなのか、斜め読みでもかなり疲れました。

 

世の中には、いわゆる「マーケター」という肩書で「マーケティング」を専門に扱っている方もたくさんいますし、詳しい解説は山ほどありますので、そういうものはそちらにお任せするとして…

 

「どう捉えると好影響か?」

 

さて、私は冒頭で「マーケティングとは何でしょうか?」と書きました。

インターネット上でも、「マーケティングとは何か?」という解説で始まり、詳しい知識や押さえておくべき(と書き手が推奨している)情報につながっていくものは多かったです。

 

しかし私の最大の関心事は、「マーケティングとは何か?」というよりは、「マーケティングをどう捉えると、日々の実務で好影響になるか?」です。

プラスアルファの知識、肉付けの知識として身につける分にはよいですが、いろいろ詳しい知識を入れ過ぎて最大の関心事が妨げられるのであれば、本意ではありません。

 

「マーケティング」に限りませんが、知識や考え方を採り入れるのは、自分の求める目的なり成果なりを得やすくするためです。

私の場合はあくまで「日常でイメージしやすかったり咄嗟とっさに本質を思い出せたりして、好ましい行動につながりやすいこと」が第一義なので、その観点で考えています。

 

逆に言えば、「ピンと来なくて行動に移しにくかったり、方向性として悪い流れを引き出したり、心理的抵抗があって推進力にブレーキがかかったり…」といった展開が予想される捉え方は、NGです。

ここから先は、そういう切り口がしっくりくる方に向けたお話です。

 

辞書の意味だと、好ましい展開のイメージが湧かない

 

まず辞書等の解説を。

 

マーケティング【marketing】の解説

顧客ニーズを的確につかんで製品計画を立て、最も有利な販売経路を選ぶとともに、販売促進努力により、需要の増加と新たな市場開発を図る企業の諸活動。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

 

マーケティングとは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

どうでしょうか?

皆さんは、これらの解説を読んでピンと来ましたか?

 

私個人としては、長々と書かれている解説ページよりは読もうという気になりますが、ウィキペディアの方は全然ピンと来ないですね。

デジタル大辞泉の方が増しといえば増しですが、それでもあまりピンと来ません。

 

(※この解説で理解していても、自分の日常で好ましい展開が起こるイメージが湧かない、という意味でピンと来ないということです。)

 

いろいろ模索してきて個人的には…

 

私自身「マーケティング」について、これまでいろいろな解釈で日常を過ごしてみて、使いやすい(=好ましい展開が起きやすい)捉え方を模索してきました。

 

結論からお話しすると、

マーケティングとは…

消費者のニーズ(不都合を感じているところ)や、需給バランス(供給が不足しているところ)をみ取って、そのニーズに継続して応えていく取り組み。

という感じに落ち着いています。

 

(※自覚としては、ピーター・ドラッカー氏の考え方がベースだと感じています。)

 

好影響のポイントとしては、

  • 商品やサービスの良し悪しに目が行きがち日常商品やサービスを通して得られる時間や体験の全てに目を向ける後押しになること

  • 他社と張り合うのではなく、他社との相乗効果に向かう後押しになること
    (※相乗効果の発想……消費者のニーズは同時に多数あったり、違った供給が重層的に組み合わされることを求めていたりするため、他社と補い合って多様性に貢献した方が消費者としては嬉しいという見方)

  • 数字や効率に終始しがちな日常で、自分の仕事の背景や動機を再認識して、成し遂げていく推進力を取り戻す後押しになること

  • 大量の情報に飲まれがちな日常で、消費者の不都合や供給不足の観点から再考し、情報を選別する後押しになること

などです。

 

全体として共通しているのは、

日常業務に追われて、業者目線に偏ったり、視野が狭くなったりする中で、

社会目線や消費者目線を中心に、俯瞰的に捉え直す後押しになるということです。

 

「汲み取る」という意識が、一番の急所

 

「マーケティング」という言葉に限らずどんな言葉でもそうですが、学校の勉強のように知識として理解したり、売上や利益など自分の都合を軸にして捉えたりするのは、私の場合あまり得策ではありません。

合っていないというより、悪循環になると感じています。

 

先ほどのポイントは、その悪循環になりそうな傾向を踏まえて、なんとかそうならないよう工夫してきたものです。

そして、悪循環の歯止めにしたり好循環につなげたりするために、一番外してはいけないエッセンスはみ取る」意識です。

 

「汲み取る」というのは、「はかる、理解する」ということです。

「汲み取る」という意識を持つと、私の場合は自分以外の人から見える景色を想像したり、自分以外の人の状況を推し量ったりすることに、自然と意識が向かうようになります。

こういう状態の時は、方向性や推進力、状況判断の尺度の観点でも、好ましい展開をイメージできます。

 

一方、「汲み取る」という意識を見失うと、視野が狭くなって業者目線に偏ったり、数字や効率に終始したりしてしまいます。

こういう状態になると、方向性や推進力、状況判断の尺度の観点でも、悪い流れになる傾向が強いです。

 

ですので、あえて一言で言ってしまうならば「マーケティング」≒「汲み取ること」というくらい、私にとっては「汲み取る」という意識が大切な急所となっています。

 

私と傾向が近い人(組織)は、「汲み取る」という意識が急所であることは多いと思います。

通ずる感覚がある方は、参考にしていただければと思います。

 

ちょっと違うという方にとっても、好ましい捉え方を工夫する(好ましくない捉え方をやめる)上で多少とも参考になれば幸いです。

 

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