【雑記】
●印象に残っている石川遼選手の言葉
昨日、プロゴルファーの石川遼選手が、2年ぶりにツアー通算19勝目を挙げました。
2週前の国内メジャー戦でもプレーオフに進出していたので、そろそろ勝つのではと素人ながら感じていました。
知ったような口をきいていますが、私はゴルフをやりません。
ときどき家でテレビ観戦する程度です。
若い頃に少しだけやったことはありますが、ラウンドにも数える程度しか行ったことがありません。
そんな私でも、とても響いた石川選手の言葉があります。
「グリーンにのせようとするのではなく、グリーンにのるのに必要なことをする」
いつ、どんな番組で聞いたか忘れてしまいましたが、ずいぶん前にテレビでお話しされていました。
石川選手がまだ二十歳前後の頃だと思います。
ゴルフをやられる方は、響くものがあるのではないでしょうか。
私はゴルフをやりませんから、ゴルフのラウンドに活かす意味で響いたわけではありません。
「仕事にも通ずるなぁ…」としみじみ感じた言葉です。
この言葉を私の分野(=人材開発・組織開発)に当てはめると、
「能力を発揮させようとするのではなく、能力を発揮するのに必要なことをする」
といったところです。
例えとして、発酵食品をイメージしてみます。
チーズでも、お酒でも、味噌でも醤油でも何でもよいですが、
「発酵させよう!発酵させよう!」
と意気込むのではなく、
「発酵するのに必要な準備や手順、温度や湿度、その他さまざまな要素を押さえていく」
それが重要だと思われます。
これは自然現象に基づくプロセスなので、固有の特性や相応の時間軸を無視して形にしようとしても、虚しい結果になることは容易に想像できます。
農作業や家庭菜園で植物を育てることに関しても、同様のことが言えると思います。
この延長で、人や組織の能力発揮についても、同じように捉えることができます。
人や組織についても、
「能力を発揮させよう!発揮させよう!」
と意気込むのではなく、
「能力を発揮するのに必要な要素を押さえていく」
それが重要だと思われます。
これは大前提として
「こうすればうまくいく」といった成功ノウハウを求めるより、まず
「ここは外してはいけない」という基本的なことをやっていく姿勢が必要かもしれません。
物事が1つ2つの要素で何とかなることは少ないですが、物事が1つ2つの要素で台無しになることは往々にしてありますので。
また、ノウハウに翻弄されると、自然現象に基づくプロセスを見失いやすい点も気がかりです。
人も、組織も、理屈通りには動いていきません。
人も、組織も、発酵食品と同じように、温度や湿度の許容範囲があるかもしれません。
熱過ぎても冷め過ぎても、ドライ過ぎてもウェット過ぎても、長続きしないかもしれません。
どんな環境でも力を発揮できる人はよいですが、私と同じように環境によって能力発揮や成果が左右される人は、補整が必要でしょう。
こういった環境条件の補整は、巷のノウハウも参考になるかもしれませんが、やはり当事者の日々の振り返りが土台だと思われます。
人や組織にも、固有の特性や相応の時間軸があるからです。
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石川遼選手の言葉は、こんな風にあれこれ思考をめぐらせるキッカケになりました。
テレビで見たり、ネットの記事を読んだりする度に、この言葉を思い出します。