●「開発」とは、英語の「development」を訳した言葉
今日は「開発」という言葉について、率直な気持ちを綴ります。
私は人材開発・組織開発(=人や組織の能力を引き出すこと)の支援をしています。
名刺の肩書は「人材・組織開発コーチ」です。
自分の仕事を表現するとき「開発」という言葉を使っていますが、正直なところ心地悪いです。
私は「人材開発・組織開発」の仕事を目指して、現在に至っているわけではありません。
日常の何気ないことに潜む問題や、風潮・一般論に対して感じる素朴な疑問。
それらを延々掘り下げてきたら、現在の形になりました。
私がなんとかしたかったのは、「裏目に出やすい事柄」です。
「こうした方がうまくいく」という方法を求めて探究してきたというより、
「だいたいうまくいかない」という教訓を掘り下げて探究してきました。
私の屋号が「Better」でなく、「SecondBest」なのもその表れです。
「SecondBest」という名称には
「ベスト(最善)を求めてワースト(最悪)になるより、セカンドベスト(次善)を選ぶ」という意図があります。
端的に言うと、セカンドベストとは消去法的道筋です。
最善と見なしていたことが裏目に出がちなら、それを選択肢から外して、次の最善を考える。
試行錯誤に基づく消去法的プロセスです。
やってみたら思っていたよりできないとか、思っていたよりうまくいかないとか、そういうのありますよね。
むしろ逆効果だったり、悪循環に陥ることも。
そういう傾向を掘り下げて、建設的次善を開拓してきただけです。
着眼点は、「能力発揮を妨げているもの」です。
知識や技術を身につければ成果を出せるわけではありません。
それらが発揮されないと成果は見込めません。
どんなもっともな手法でも、実践・継続につながらなければ画餅に帰します。
知識や技術を身につけるための情報や供給は、社会的にとても充実しています。
しかし、実践・継続につながらないことが多々あります。
そこの問題をなんとかしたかった。それだけです。
取捨選択の基本は、「実践・継続」の見地です。
効果や効率から考えたくなるのが人情ですが、「実践・継続」できないものは、どんどん選択肢から外していきます。
身につけても発揮されにくいもの、成果につながりにくいものより、
当事者の条件下で発揮されやすいもの、成果につながりやすいもの。
時間やエネルギーは有限ですから、まずは「実践・継続」できそうなものに光を当てていきます。
コンセプトは簡単なのですが、それをスパッと表現する名称がありません。
それで便宜的に使っているのが「人材開発・組織開発」です。
「身につけること、習得すること」の支援に対して、
「発揮すること、実践・継続につながること」の支援。
それを「育成」と「開発」に大別して、
私は後者の方なので「開発」の支援としています。
もともと「開発」というのは、英語の「development」を訳したものです。
「development」には、「発達、発展、進行、進展、進歩」や「開発、開拓」などの意味があります。
おそらく英語で「development」と言うとき、「開発」の意味だけでなく、「進展」「発展」や「進行」を促進するニュアンスも含んでいたりします。
そんな意味合いの「development」を「開発」という言葉だけでくくってしまうと、やっぱり心地悪さは拭えません。
日本語として浸透しているカタカナ英語、
たとえば「イメージする」とか「アピールする」とか、仕事で言うと「マネジメントする」とか、
そんな風に「ディベロップする」と言えればいいのですが…
まぁ、そんなことを考えても現実はそうでないので、一般的に割と使われている「人材開発」という言葉に帰着しています。
これまで紆余曲折しながら、いろんな案を経てきましたが、現状「人材・組織開発コーチ」に落ち着いています。
これも試行錯誤に基づく消去法ですね。
現時点の「SecondBest」です。
長々と読んでくださり、ありがとうございます。
機会を見て、なぜ「コーチ」なのかも書きたいと思います。
(「コーチ」と名乗っていますが、これも心地悪さが拭えません。)

